離婚協議書,離婚公正証書
自己の権利を守るためにも、離婚協議書、離婚公正証書の作成を!離婚に必要な基礎知識
夫婦で話し合いが出来る間は、2人は十分にやり直せます。どんな夫婦でも一度や二度は真剣に離婚を考えた事があると思いますが、たとえ離婚話がでても何とか関係を修復して、再び結婚生活を続けるケースが多いと思います。
しかし、相手が離婚を主張し話合いにも応じなく、離婚調停の申立てをされてしまったという場合に関係の修復は容易ではありません。離婚を避けたい場合、裁判所に申立てを起こされる前に、トラブルを解決した方がよりベターです。 話合いでは夫婦仲が修復できず、裁判所に調停を申立てされたら離婚もありうると覚悟してください。
別居を始める際の注意点
夫婦には同居義務があり、突然別居を始めると「悪意の遺棄」として、離婚に伴う慰謝料、婚姻費用等が不利になる可能性があります。相手の同意を得たうえで、別居することが望ましく、離婚回避の冷却期間の為というような、合意が得られるように交渉しましょう。DVが原因で別居する場合
別居の原因がDVである場合には、突然家を飛び出しても非はありません。むしろ、相手方に理由を告げると相手が、激昂し、更なる暴力を振るわれる危険性が高まります。
DVが原因で別居する場合に持って行った方が良いリスト
- 緊急連絡先
- 保険証
- 現金、通帳、カード
- 印鑑
- 財産に関する法的書類の写し
- あなたにとって思い出の品
- 常備薬
- 居場所を探す手がかりになる物一切
- 夫が借金までして博打にのめり込んだ場合
- 夫が勝手に妻を連帯保証人にした場合
親権者になりたいなら子供も連れていく
子供の親権者になりたいなら、別居をする際は子供も一緒に連れて出ていく方が良いでしょう。裁判所が親権者を決める際は現状維持の原則があり、現在子供を監護している側を優先的に親権者に指定するという傾向があります。協議離婚
夫と妻が自由な話し合いをして合意ができる場合は、離婚届を役所に提出して終わりです。「なんだ簡単じゃないか?」と思われる方もいますが、離婚は婚姻と違い婚姻という契約の解消であり、解消するには多くの問題が生じます。これを解消するときに、子の親権、養育費、財産分与、慰謝料請求、面会交流権、などの決め事をキッチリと紙に起こして決めましょう。離婚協議書、離婚公正証書がこれにあたります。
口約束の場合だと「言った、言わない」と水掛け論になり後日の争いの火種になるでしょう。
離婚協議書について
離婚する際に親権者は誰か?養育費は月々いくらでいつまで支払うのか?財産分与はどうするのか?慰謝料は?子供との面接はいつにするのか?を書いて合意した内容を紙にしたものです。離婚協議書のサンプル
夫山田太郎(以下甲という)と妻山田花子(以下乙という)は、離婚について協議した結果以下のとおり合意した。記
第一条 | 甲と乙は協議離婚をする事とし、離婚届けに各自署名押印した。 |
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第二条 | 甲と乙間未成年の子山田五郎(以下丙という)の親権者は乙とする。 |
第三条 | 甲は乙に対して丙の養育費として平成〇年〇月から丙が成年に達する平成□年□月□日まで、毎月△万円づつ月末に限り〇〇銀行の丙名義の口座に振り込んで送金する。 |
第四条 | 甲は乙に対して?財産分与として〇〇万円、慰謝料として〇〇万円を平成□年□月□日までに〇〇銀行の乙名義口座に振り込んで支払うものとする。 |
第五条 | 甲と乙は、離婚に伴う財産上の問題は、前三条、四条の定めによりすべて解決し、他に何も請求しないことを確認する。 |
第六条 | 乙は甲に対し、甲が毎月一回丙と面接交渉する事を認容する。面接交渉の日時、場所、方法は、丙の福祉を害することのないよう配慮して、甲乙協議の上決定する。 |
住所
甲 山田太郎 印
住所
乙 山田花子 印
離婚公正証書とは
離婚協議書と似ていますが、最大の違いは「強制執行に服する旨を認めた」と一言書く事が出来る事です。養育費等の支払いが滞った場合、文字通り強制執行が可能となり相手の財産を差し押さえる事ができます。これが無い離婚公正証書は離婚公正証書として意味がありません。相手方の財産権に関わることなので公証役場に行って作ります。子の親権とは
平成24年の調査によれば約93%の母親が親権者となっています。世の父親には厳しい数字です。ですが母親になにかしらの責めがあれば、父親にも十分親権者になるチャンスがあると思います。養育費とは
別れる際に「月々いくら払ったら良いか?」がわからないという場合「養育費算定表」なるものがあります。早い話が養育費の相場です。また養育費の「期間はいつまでにしたら良いのか?」という問題も発生します。高校卒業までなのか?成人になるまでなのか?と、これも話合いで決めます。最近は大学を卒業するまでというケースが多いようです。財産分与とは
婚姻中にお互いが築いた財産の分配(婚姻前に持っていた財産などは含まない)で離婚後の弱い立場の方に対する扶養料、過去の婚姻費用の精算も含まれます。専業主婦の場合、寄与度に応じて共有財産の30%〜50%ととしたものが多いです。財産分与には慰謝料を含めて定めることもできます。こんな場合、妻は原則として責任を負いません
慰謝料とは
精神的打撃に対する損害賠償で1離婚の原因を作った側が支払う離婚原因慰謝料
2離婚により配偶者としての地位を失うことによる離婚自体の慰謝料
とに分類されます。
総合的に判断をし、1,2を一体として金額が決まります。
夫が浮気をした場合、妻は夫に慰謝料の請求をする事ができるか?答えはYESです。ついでに浮気相手である女性にも請求することができます。逆パターンでも同様です。
面接交流権とは
養育しない側の親が子供に会うことができる権利で、月に1〜2回、4時間程度というケースが多いです。ただ子供に暴力を振るったりしている場合は認められない事もあります。現在離婚した夫婦の八割強の方が、何かしらの理由により養育費等が払われておりません。 一時の手間を惜しんだために、公正証書にしない事により養育費等が貰えない場合の苦労は想像を絶すると思います。
後悔しないために、離婚協議書、離婚公正証書を作成する事を強くおすすめします。